初ウォーターズはややほろ苦し・・
- 作者: サラ・ウォーターズ,中村有希
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/09/18
- メディア: 文庫
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エアーズ家の没落
翻訳ものに弱いので、ほとんど知らなかったサラ・ウォーターズですが。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
かつて隆盛を極めながらも、第二次世界大戦終了後まもない今日では、広壮なハンドレッズ領主館に閉じこもって暮らすエアーズ家の人々。かねてから彼らと屋敷に憧憬を抱いていたファラデー医師は、往診をきっかけに知遇を得、次第に親交を深めていく。その一方、続発する小さな“異変”が、館を不穏な空気で満たしていき…。たくらみに満ちた、ウォーターズ文学最新の傑作登場。
端正な文章に引き込まれ、おそろしい展開にドキドキ(というかびくびく?)。
美しい領主館と共に落ちていく住人・・・。
不気味な怪奇現象。(へたれなんで本気で怖かった)
特に 美しいエアーズ婦人の心と体への変調が現れだしてからが、
恐ろしくも引き込まれる展開でした。
そしてさらに恐ろしい結末。
結論は読者にゆだねられています。
ちなみにこの作品の原題は"The Little Stranger"です。
このLittle Strangerが誰を指すのか?うーん、なかなか深い・・・です。
語り手である主人公、なんかいやや・・・!って感じでした。
嫉妬、羨望、またDNAに刻まれた憎しみを思い暫し戦慄しましたわよ、あぁ。