初ウォーターズはややほろ苦し・・

エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)

エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)

なぜ読み出したんだろう・・・、と、ふと思う。
エアーズ家の没落
翻訳ものに弱いので、ほとんど知らなかったサラ・ウォーターズですが。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
かつて隆盛を極めながらも、第二次世界大戦終了後まもない今日では、広壮なハンドレッズ領主館に閉じこもって暮らすエアーズ家の人々。かねてから彼らと屋敷に憧憬を抱いていたファラデー医師は、往診をきっかけに知遇を得、次第に親交を深めていく。その一方、続発する小さな“異変”が、館を不穏な空気で満たしていき…。たくらみに満ちた、ウォーターズ文学最新の傑作登場。

端正な文章に引き込まれ、おそろしい展開にドキドキ(というかびくびく?)。
美しい領主館と共に落ちていく住人・・・。
不気味な怪奇現象。(へたれなんで本気で怖かった)
特に 美しいエアーズ婦人の心と体への変調が現れだしてからが、
恐ろしくも引き込まれる展開でした。

そしてさらに恐ろしい結末。
結論は読者にゆだねられています。
ちなみにこの作品の原題は"The Little Stranger"です。
このLittle Strangerが誰を指すのか?うーん、なかなか深い・・・です。
語り手である主人公、なんかいやや・・・!って感じでした。
嫉妬、羨望、またDNAに刻まれた憎しみを思い暫し戦慄しましたわよ、あぁ。